不動産投資に挑戦してみたい、けれど不動産投資にも種類がたくさんあってどれに手を付けようか困っている、そんな方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は不動産投資の種類などを徹底的にまとめてみました。
ぜひ最後までお付き合いください。
全11種の不動産投資
結論から申しますと不動産投資は全部で11種類あります。
他サイトでは4種類や6種類となっているものもありますが、この11種類を大まかにわけたものと捉えていただければ大丈夫かと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。
①不動産クラウドファンディング
不動産購入の出資者を集めることを目的としたクラウドファンディングです。
インターネットを通じて投資家から資金を集め、事業者が不動産を購入して運用します。
不動産で得た収益を分配金として投資家に戻す仕組みですが、REITよりも市場規模はまだ少ないのが現状です。
しかし、一口一万円から投資できることや、他にもメリットが多いことから最近人気が出てきています。
②REIT
不動産投資信託とも呼ばれ、複数の出資者から集めた資金で不動産投資を行い、賃料収入や売却益を投資者に配当する商品になります。
利益が出れば「分配金」として投資家へお金が支払われますが、これは株式投資でいう配当金に該当するものです。
一口数万円から購入できるため、複数のファンドへ分散投資しやすいのも特徴の一つです。
③不動産小口化商品
一つの不動産を1口数万円の小口にして販売している商品のことになります。
主に都心の一等地など、一般人が手の届きにくい高額な不動産に対して、少額で投資したい方向けの投資方法です。
REITと不動産小口化商品との違いは、前者が不動産投資を実施するファンドに出資する方法であるのに対し、後者は収益物件そのものに出資する方法なので、利益に関しても配当所得ではなく、不動産所得を得る、ということになります。
④戸建て
戸建て物件を購入して貸し出し、家賃収入を得る方法になります。
新築物件を購入するケースもありますが、一般的には中古物件を購入して、賃貸に出すケースが多く見受けられます。
不動産投資の中でも、比較的少ない初期費用で実施できる投資の一つであり、高い利回りを実現することも可能です。
ただ、中古物件の場合は、リフォームやリノベーションをしてから貸し出すのが一般的なので、その分の費用も見込んでおく必要があります。
また、戸建ての場合、基本的にファミリー層向けの賃貸になるため、入居期間が長くなりやすい特徴があります。
ただし、空室になった場合に家賃収入がゼロになるリスクを抱えるということを予め認識しておく必要があります。
⑤一棟マンション・アパート
マンションやアパート一棟を建築、または購入して家賃収入を得る方法になります。
建物一棟を建築または購入するため、多額の資金が必要であることから、金融機関にて不動産投資ローンを組み、購入することが多くなっています。
融資を有効活用すれば、手元のお金が少なくても高額な物件を購入できるので、レバレッジ効果により大きな利益を上げることも可能です。
また、一棟すべてがオーナーの所有物となるため、建物の修繕費用やリフォーム費用などは自分の判断で行ったり、費用対効果を考えながら賃貸経営の戦略を立てられる点も魅力の一つです。
また、複数の部屋を所有するため、空室が発生しても他の部屋の賃料収入でカバーできることから、空室リスクを分散できる特徴もあります。
ただ、先程お伝えした通り、建物の修繕費用やリフォーム費用などは自分の判断で行ったりすることはできますが、修繕やリフォームを行う場合は全額自己負担となりますので、その辺りも踏まえて戦略を立てていく必要があります。
⑥区分マンション
マンションを一室単位で購入する方法になります。
一棟マンションより初期投資額を抑えられるため、頭金無しのローンを組める場合もあります。
管理戸数が少ないので、入退去や修繕の手配など管理の手間もかかりにくく、不動産投資初心者でも行いやすい手法といえます。
また、選択肢が比較的多いことや、好条件の物件を見つけられる可能性が高いことなどから、異なる場所の物件を複数所有することで、家賃収入を増やすと同時に、空室リスクを抑えることもできます。
⑦ビジネスビル
ビジネスビルは、居住用ではなく事業用として賃貸する方法になります。
※家賃収入で収益を得る手段は、他と変わりありませんが、用途を事業用とした場合、賃料に消費税が含まれる点を理解しておく必要があります。
ただし、マンションやアパートのような居住用の建物ではないため、一室の面積が広い物件でなければ運営は困難です。
ビジネスビルの運営では個人が相手ではなく、法人を相手に折衝を行う場合が多いため、マンションやアパートと同様、不動産管理会社へ管理やメンテナンスを委託するのが一般的になります。
⑧シェアハウス・民泊
シェアハウスは部屋ごとの必要設備が少なく、初期投資を抑えられるという特徴があります。
また、複数の入居者がいるため、退去による収入減をカバーできるメリットもあります。
しかしデメリットとして、一つの住居に複数人が共同生活をするため、共同で利用する設備などを巡って、入居者同士のトラブルが発生しやすいことが挙げられます。
また、民泊は民家を貸し出す方法ですが、主に観光客などの宿泊施設として活用するので、賃料は高めに設定できる傾向があります。
賃貸物件ではないので、大規模なリフォームや設備導入の必要はなく、初期投資を抑えられるというメリットがあります。
ただ、観光客のマナー違反によるトラブルが起こりやすく、時期によって収入が変動するなどのデメリットもあります。
⑨サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢化が進む地域で需要があります。
「高齢者等居住安定化推進事業」の対象となっているため、新築であれば最大で工事費の1/10に当たる額の補助金を受けることも可能です。
介護事業者へ一棟貸しするのが基本であるため、契約が締結できれば空室リスクを負うことがなく、管理も委託することが可能です。
ただし、介護事業者の倒産や退去リスクがあるので、需要がある地域かどうか最初の見極めが重要になります。
⑩トランクルーム
土地にコンテナを設置すれば始められるため、初期投資が少ないという特徴があります。
また、賃料が下がりにくく、住宅ではないということから、トラブルも起こりにくく、初心者でも始めやすいです。
デメリットとしては、収益は低めであり、エリアによっては需要が少ない場合があるというところに、注意する必要があります。
おすすめの立地は、周囲にマンションやアパートなどの集合住宅が多数ある場所になります。
季節性の衣服やレジャー用品など、家の中に収納しきれない荷物を抱えている方が、トランクルームを借ります。
⑪駐車場
所有している土地を駐車場にして貸し出す方法になります。
建物を賃貸にする方法と比較すると、収益は少なめですが、少額の初期投資額で実施できる上、管理の手間が建物と比べると、かかりにくいメリットがあります。
ちなみに、駐車場は月極駐車場とコインパーキングの2種類の方法に大別されます。
月極駐車場の場合、契約車両が決まれば安定した収入が得られますが、空きスペースが増えれば収益が大きく低下する可能性があります。
コインパーキングの場合、収益は安定しませんが、需要の高いエリアであれば高利回りが期待できます。
土地の状況によってどちらの方法が望ましいか、判断をすることが利益を得るために重要となってきます。
どの不動産投資にするか迷ったときは
不動産投資にはさまざまな種類が存在するため、どんな方法を選べば良いのか、迷ってしまう方も多いかと思います。
そこで不動産投資の種類を選ぶ場合の基準を簡単に紹介致します。
①所有している資産や資金から判断
融資の活用も含め、無理なく実施できそうな投資先を検討することが重要です。
無理をして購入しても、自身が苦しくなるだけで得はありません。
例えば不動産クラウドファンディングであれば1万円から、区分所有部屋の賃貸や戸建て投資であれば少額の資金から始めることが可能ですが、マンションやアパートの一棟投資では、多額の資金が必要です。
まずは自分の資金を確認してみましょう。
②リターンの大きさや利回り
投資の方法や投資対象となる物件の種類により、リターンの大きさや利回りに差が生じてきます。
例えば新築マンションやアパートであれば購入金額が高額になるため、利回りが低くなる傾向にありますが、中古の一戸建てや区分所有部屋の賃貸の場合、購入価格を新築より抑えられるため、家賃を新築と同等の水準で、かつ高い入居率を維持できれば、利回りは新築を上回ることができます。
ただし、中古物件の賃料相場や入居率は新築より低い傾向があることや、修繕費もかかってくるので見極めが必要になってきます。
③市場動向
不動産市場の動きをよく見て、人気が高くなりそうなエリアを見極め、タイミングを見計らって選ぶ方法もあります。
しかしこの方法は上級者向けとなりますので、慣れてきた方におすすめです。
④相続対策
相続対策として不動産投資を始めるという話は聞いたことがありませんか?
実は、相続税は現金のまま相続すると、100%の評価額で税率がかかってしまいますが、不動産の場合、評価額が時価の7~8割程度となり、節税になります。
将来、親や親戚から評価額の高い土地を相続する可能性がある方は、今すぐで無くても、不動産投資も含めた対策を考えておくことをおすすめします。
⑤投資の目的
④のような相続対策だけでなく、不動産投資を始める目的は人によっては様々かと思います。
目的を定めることで、投資可能な資金や運用期間が見えてきますので、まずはそこに焦点を当ててみましょう。
⑥リスクの回避
リスクを回避することを第一に考え、利回りだけでなく、土地の安全性を重視した物件選定を行うことも大切です。
こうなったらどうしよう、ああなったらどうしよう、などとすぐに心配してしまう方は、少しでも不安を無くすためにも、土地の安全性を重視してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
不動産投資の種類や選ぶ基準について、少しでも理解を深めることはできましたでしょうか。
人によって、どの不動産投資が適しているのかは違ってきます。
また、選んだ種類によって初期投資額、利回りの目安、収益の規模が大きく異なります。
書籍を読む、セミナーへ参加する、専門家へ相談するなど、様々なところから知識を吸収して、実践へ移すようにしましょう。
監修︰越智正道
東京都文京区にて税理士事務所を経営。
ファイナンシャルプランナーとしても活動しながら、税理士業務では、記帳代行、試算表の作成、ペイロール代行、決算書類の作成、経営分析、税務申告など、多岐にわたるサービスを提供。
クライアントには、IT関連、ブライダル、化粧品開発、飲食業、医療関連など、さまざまな業種が含まれており
相続対策や事業承継、IPO支援、人事・労務管理指導などの分野の知見も広く持つ。
特に、NPO法人や金融資産関連の税務コンサルティングに力を入れており、幅広いニーズに応えることを使命としています。
コメント