金利選びが将来の資産形成を左右する
住宅ローンを組む際、
多くの人が直面するのが「変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか?」という問題です。
金利の種類によって返済額やリスクが大きく変わるため、慎重な判断が必要になります。
また、最近では「不動産クラウドファンディング」という
新しい投資手法が注目を集めています。
住宅ローンを組んで不動産を購入するのではなく、
少額から不動産投資に参加できる方法として、多くの投資家が活用しています。
本記事では、変動金利と固定金利のメリット・デメリットを比較し、
さらに「不動産クラウドファンディング」という新しい選択肢についても
詳しく解説していきます。
住宅ローンの基本|変動金利と固定金利の違いを理解しよう

住宅ローンを組む際、「変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか」は、
多くの人が悩むポイントです。
選択する金利の種類によって、将来の返済額や総支払額が大きく変わるため、
それぞれの特徴を正しく理解し、自分のライフプランに合った選択をすることが重要です。
ここでは、
変動金利と固定金利の仕組みや特徴、選ぶ際のポイントを詳しく解説していきます。
変動金利とは?仕組みと特徴
金利が変動する仕組みとは?
変動金利とは、市場金利の動向に応じて金利が変動する住宅ローンのことを指します。
具体的には、日本の金融機関が基準とする「短期プライムレート」や「政策金利」に連動して、
半年ごとに適用金利が見直される仕組みです。
金利の見直しは半年ごとに行われますが、
実際の返済額の変更は”5年ごと“に実施されるのが一般的です。
そのため、金利が上昇した場合でも、直ちに返済額が増えるわけではありません。
変動金利が低く設定される理由
変動金利は、固定金利と比較して金利が低く設定される傾向にあります。
その理由は以下の通りです。
- 金融機関側のリスクが少ない
→ 金利が上昇すれば、銀行は借り手からの利息を増やせるため、リスクを回避しやすい。 - 短期的な資金運用に適している
→ 変動金利型は短期の市場金利に影響を受けるため、比較的低く抑えられる。 - 借入者の利用を促進するため
→ 低金利による返済負担の軽減をアピールし、利用者を増やす目的もある。
返済額が変動するリスクとその影響
変動金利には「金利上昇リスク」が伴います。
金利が上がると、総返済額が増え、家計に大きな影響を与える可能性があります。
例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。
- 借入額:3,000万円
- 借入期間:35年
- 当初金利:0.5%(変動金利)
- 金利上昇:5年後に1.5%、10年後に2.0%へ上昇
この場合、当初の月々の返済額は約7.5万円ですが、10年後には約9.6万円へと増加し、
年間24万円以上の負担増となります。
また、「5年ルール」や「125%ルール」 によって、
一時的に月々の支払額の上昇が抑えられることがありますが、
未払い利息が発生するリスクも考慮する必要があります。
固定金利とは?仕組みと特徴
一定期間、金利が変わらない安心感
固定金利とは、
契約時に決めた金利が、一定期間または完済まで変わらない住宅ローンのことです。
金利が上昇しても影響を受けないため、返済計画が立てやすくなります。
固定金利には、大きく分けて以下の2種類があります。
- 全期間固定金利型
→ 契約時の金利が完済まで変わらない。 - 固定金利期間選択型
→ 3年・5年・10年など、一定期間だけ固定し、その後変動金利に移行可能。
返済計画が立てやすいメリット
固定金利の最大のメリットは、
毎月の返済額が一定で、将来の資金計画が立てやすいことです。
例えば、以下のようなシミュレーションを見てみましょう。
- 借入額:3,000万円
- 借入期間:35年
- 固定金利:1.3%
この場合、月々の返済額は約9.2万円で、金利が上昇しても支払額が変わらないため、
家計の負担が予測しやすくなります。
金利上昇時に強いが、低金利時にはデメリットも
固定金利は、金利が上昇した場合には有利ですが、
逆に市場金利が下がった場合は、変動金利よりも高い金利で支払いを続けることになるため、
デメリットとなることもあります。
例えば、現在の市場金利が1.5%で固定金利を選んだとしても、
今後金利が1%以下に下がれば、変動金利を選んだ方が得になる可能性があります。
住宅ローンを選ぶ際のポイント
将来的な金利変動の予測
住宅ローンを選ぶ際には、将来の金利動向を予測することが重要です。
過去30年間の金利推移を見ると、1990年代は住宅ローン金利が6%以上ありましたが、
2000年代以降は1%以下の低金利時代が続いています。
しかし、日本銀行の金融政策次第では、
将来的に金利が上昇する可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
返済計画とライフプランの重要性
住宅ローンは、借入期間が20年〜35年と長期間にわたるため、
ライフプランに合わせた返済計画を立てることが大切です。
例えば、以下のようなライフイベントを考慮しましょう。
- 子どもの教育費(大学進学時に大きな支出が発生)
- 定年後の住宅ローン残高(退職時にローンを完済できるか)
- 収入の変動(転職や昇給、減給のリスク)
ライフプランに合った返済計画を立てることで、
将来的なリスクを抑えながら、無理のない返済が可能になります。
住宅ローンシミュレーションの活用
住宅ローンを選ぶ際には、
各金融機関のシミュレーションツールを活用するのがおすすめです。
シミュレーションを行うことで、「変動金利と固定金利の違いを具体的な数値で比較」し、
自分に合ったプランを選ぶことができます。
おすすめのシミュレーションツール
- 住宅金融支援機構の「フラット35シミュレーション」
住宅ローンは長期にわたる大きな支出となるため、慎重に選択することが重要です。
変動金利と固定金利、それぞれの特徴を理解し、
最適な選択をすることで、将来の資産形成にも大きく影響を与えます。
住宅ローンの変動金利 vs 固定金利|メリット・デメリットを比較

という事で、変動金利と固定金利の概要を解説しましたが
改めて、お互いのメリット、デメリットを見て理解を深めましょう。
変動金利のメリットとデメリット
変動金利のメリット
- 借入時の金利が低い
現在の変動金利は0.3%〜0.6%程度と、固定金利に比べて低いのが特徴です。 - 金利が下がった場合、返済額も減る
市場金利が低下すると、ローンの返済額も減るためメリットを享受できます。 - 毎月の返済負担を抑えられる
低金利により、同じ借入額でも毎月の返済額を軽減できるため、
他の資産運用に資金を回しやすくなります。
変動金利のデメリット
- 金利上昇リスク
市場金利が上昇すると、ローン返済額も増加し、家計を圧迫する可能性があります。 - 長期的な返済計画が立てにくい
金利の変動によって、将来的な返済総額が変わるため、資金計画が不安定になります。 - 「5年ルール」「125%ルール」の影響
金利が急上昇した場合、元本の返済が遅れたり、未払い利息が発生するリスクもあります。
固定金利のメリットとデメリット
固定金利のメリット
- 将来の返済額が一定で安心
契約時に決まった金利が適用されるため、市場金利が変動しても毎月の支払い額は変わりません。 - 金利上昇の影響を受けない
例えば、10年後に市場金利が2%上昇しても、固定金利を選択していれば影響を受けません。
固定金利のデメリット
- 借入時の金利が高い
変動金利よりも金利が高く、2025年1月時点では固定金利が1.0%〜1.5%程度となっています。 - 市場金利が下がった場合の恩恵を受けられない
一度契約した固定金利は、途中で変更できないため、将来の金利低下による恩恵を受けることができません。
住宅ローンの金利選択はどう決める?投資家の視点から考える
住宅ローンの金利を選ぶ際、
単に「月々の支払いを抑えたい」「将来のリスクを回避したい」といった一般的な観点だけでなく、
投資家の視点からどちらの金利が有利かを考えることも重要です。
投資家は資産形成を目的にするため、金利の動向や経済情勢を考慮し、
リスクとリターンのバランスを取る視点が必要になります。
変動金利と固定金利、どちらが適しているか?
変動金利と固定金利のどちらが有利かは、
今後の金利動向や投資家のリスク許容度によって異なります。
項目 | 変動金利 | 固定金利 |
金利水準 | 低い(現時点で0.5%前後) | 高め(1.2%~2.0%程度) |
金利の変動 | 半年ごとに見直し | 一定期間固定 |
リスク | 金利上昇リスクあり | 将来的な市場金利の低下時に不利 |
返済計画 | 金利上昇で月々の支払い増加の可能性 | 安定した返済計画が立てられる |
投資家向きか? | 短期売却を視野に入れた投資家向け | 長期保有・安定志向の投資家向け |
▶ 短期的に不動産を売却する可能性がある場合
低金利のうちに住宅ローンを利用し、売却益を狙う投資家にとっては、変動金利が有利。
金利が低いうちにローンを組み、短期間で売却することでキャッシュフローを最大化できます。
▶ 長期保有を前提とする場合
賃貸物件として長期間保有を考えている投資家にとっては、固定金利の方が安全。
金利上昇リスクを回避し、一定の返済額で長期的な運用が可能になります。
住宅ローンの金利動向と将来の影響
住宅ローンの金利は、日本銀行の金融政策や世界経済の動向によって大きく左右されます。
過去の傾向を振り返ると、1990年代は6%以上の金利が一般的でしたが、
現在は超低金利時代が続いており、
変動金利は0.5%前後、固定金利でも1.2%~2.0%程度と低い水準にあります。
しかし、今後の金利上昇リスクを考えると、以下の要素が影響を与える可能性があります。
- 日本銀行の金融政策
→ 低金利政策が変更されると、金利が上昇する可能性あり。 - 米国の金利動向
→ FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが進めば、日本の金利にも影響を及ぼす可能性あり。 - インフレの進行
→ 物価上昇が続けば、金利も上昇し、変動金利のリスクが高まる。
現在の低金利環境が続くか、それとも数年後に金利が上昇するかを予測することは困難ですが、
投資家としてはリスクヘッジの観点から選択肢を持っておくことが重要です。
住宅ローンを投資の一環として考える視点
住宅ローンを利用する際、単なるマイホーム購入のための手段と考えるのではなく、
資産運用の一部として考えることで、より有利な選択をすることが可能です。
- レバレッジ効果を活かす
→ 住宅ローンを活用して自己資金を温存し、不動産投資や他の資産運用に回すことで、資産の最大化を図る。 - 借入金利と運用利回りの比較
→ 変動金利(0.5%前後)で借入し、不動産クラウドファンディング(5%~8%の利回り)などの投資に回すことで、
差額を利益とすることも可能。 - リスク分散を考慮する
→ 住宅ローンと投資資産のバランスを考え、万が一の金利上昇や市場変動に備える。
不動産クラウドファンディングという新たな選択肢
住宅ローンを組んで不動産を購入する以外にも、
少額から始められる「不動産クラウドファンディング」が注目を集めています。
不動産クラウドファンディングの仕組み
不動産クラウドファンディングは、投資家が資金を出し合い、
不動産の購入・運用を行う投資手法です。
1万円〜10万円程度の少額から参加できるため、初心者にも適しています。
不動産CFのメリット
少額投資が可能
→ 住宅ローンのように大きな借入をする必要がないため、リスクを抑えながら不動産投資ができる。
管理の手間が不要
→ 物件の管理や賃貸運営は運営会社が行うため、投資家は手間をかけずに資産運用ができる。
分散投資が可能
→ 1つの物件に集中投資するのではなく、複数の案件に資金を分散することで、リスクを軽減できる。
不動産CFのデメリット
元本保証ではない
→ 投資である以上、不動産価格の下落などによるリスクがある。
流動性が低い
→ 途中で現金化が難しく、資金の回収に時間がかかる場合がある。
住宅ローン vs 不動産CF|どちらを選ぶべきか?

住宅ローンを組んで不動産を購入する方法と、
不動産CFを活用する方法、それぞれの特徴を整理しました。
投資方法 | 初期投資額 | 利回り(平均) | 流動性 | 管理の手間 |
住宅ローン(ワンルーム投資) | 1,000万〜2,500万円 | 5〜7% | 低い | あり |
不動産クラウドファンディング | 1万円〜 | 3〜6% | “中”程度 | なし |
こんな人におすすめ
- 住宅ローンを組むべき人
→ 物件を所有し、長期的に安定した資産を持ちたい人 - 不動産CFを選ぶべき人
→ 少額から不動産投資を始めたい人、管理の手間をかけたくない人
まとめ|不動産投資を始めるなら最適な方法を選ぼう
住宅ローンの変動金利と固定金利にはそれぞれのメリット・デメリットがあります。
また、従来の不動産投資とは異なる
「不動産クラウドファンディング」という選択肢も、近年注目を集めています。
「どの方法が最適か?」は、あなたの”投資スタイル”や”リスク許容度”によって異なります。
長期的に安定した資産形成を目指すなら住宅ローンを活用した不動産投資、
リスクを抑えながら手軽に投資を始めたいなら不動産クラウドファンディングが最適です。
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