「分配金が振り込まれたけど、確定申告って必要なの?」
不動産クラファン投資家が毎年2月〜3月に抱える疑問を、国税庁の公式情報をもとに完全解説します。
いよいよ確定申告のシーズンが到来しました。
新NISAで投資デビューし、
次のステップとして不動産クラウドファンディング(以下、不動産クラファン)を始めた方も多いのではないでしょうか。
ここで注意しなければならないのが、税金の違いです。
新NISAの運用益が「非課税」で申告不要なのに対し、不動産クラファンの分配金には原則として所得税がかかります。
「いくらから申告が必要?」
「源泉徴収されていれば放置していい?」
こうした疑問をそのままにして申告を怠ると、
後から無申告加算税や延滞税といったペナルティを課されるリスクもあります。
この記事では、令和7年分(2025年1月〜12月に得た所得)の確定申告を対象に、
不動産クラファン投資家が絶対に知っておくべき税務知識と、具体的な申告手順を分かりやすく解説します。
不動産クラファンで確定申告が必要になるケース
まず結論からお伝えします。すべての投資家が確定申告をしなければならないわけではありません。
特に会社員(給与所得者)の場合は、一定の条件を満たせば申告が不要になります。
会社員を救う「20万円ルール」
国税庁は、年末調整を行っている一般的な会社員について、確定申告が必要な人を以下のように定めています。
給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人
つまり、
不動産クラファンの分配金を含む「給与以外の所得」の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。
これがいわゆる「20万円ルール」です。
⚠️ 20万円ルールの「3つの落とし穴」
20万円以下なら完全に放置して良いかというと、そうではありません。以下の点に注意が必要です。
- 住民税の申告は別途必要です20万円ルールはあくまで「国に納める所得税」の免除ルールです。「お住まいの市区町村に納める住民税」にはこの免除ルールがありません。所得税の確定申告をしない場合は、別途、市区町村の役所で住民税の申告手続きを行う必要があります。
- 医療費控除やふるさと納税を行う場合医療費控除や、ワンストップ特例を使わずにふるさと納税(寄附金控除)の申告をするために「確定申告書」を提出する場合、20万円以下の所得であっても、すべての所得を漏れなく記載しなければなりません。
- 他の「雑所得」との合算副業(Webライターや動画編集など)の収入や、暗号資産(仮想通貨)の利益などがある場合、不動産クラファンの分配金とすべて合算して20万円を超えるかを判定します。
あなたはどっち?確定申告の要否チェック
| あなたの状況 | 所得税の確定申告 | 住民税の申告 |
| 会社員 + 雑所得等の合計が20万円以下 | 不要 | 必要 |
| 会社員 + 雑所得等の合計が20万円超 | 必要 | 不要(※1) |
| もともと確定申告をする人(※2) | 必要 | 不要(※1) |
| 個人事業主・フリーランス | 必要 | 不要(※1) |
(※1) 所得税の確定申告を行うと、そのデータが市区町村に共有されるため、別途の住民税申告は不要になります。
(※2) 医療費控除、住宅ローン控除(初年度)、ふるさと納税(6自治体以上など)を行う会社員など。
不動産クラファンの分配金は「雑所得」——税務の基本を理解する
確定申告書を作成するにあたり、自分が得た利益がどの「所得区分」に当てはまるかを知っておく必要があります。
なぜ「不動産所得」ではなく「雑所得」なのか
不動産クラファン(匿名組合型)の分配金は、
法律上「配当所得」や「不動産所得」には該当せず、「雑所得」に分類されます。
あなたが直接不動産を所有して家賃を得ているわけではなく、
事業者に「出資」をして、その事業の利益から分配を受けているためです。
雑所得の厳しいルール:総合課税と「損益通算不可」
雑所得には、投資家にとって少し厳しい2つの特徴があります。
- 総合課税給与など他の所得と合算され、合計金額に応じた累進税率(5%〜45%)が適用されます。所得が高い人ほど、分配金にかかる税率も高くなります。
- 損益通算ができない万が一、不動産クラファンで元本割れ(損失)が発生しても、その損失を給与所得などから差し引いて税金を安くする(損益通算)ことはできません。
すでに「20.42%」が源泉徴収されている仕組み
不動産クラファンの口座に分配金が振り込まれる際、実はすでに税金が天引きされています。
事業者は、分配金から20.42%(所得税20% + 復興特別所得税0.42%)を「源泉徴収」し、
あなたの代わりに国へ納めています。
【ここがポイント!】還付される可能性があります
源泉徴収はあくまで「仮払い」の税金です。
あなたの本来の所得税率(給与等と合算した税率)が20%よりも低い場合、確定申告で正しく精算を行うことで、
払いすぎた税金が還付(キャッシュバック)される可能性があります。
「20万円以下だから申告しなくていいや」と思っている方も、一度計算してみる価値はあります。
【スマホ・PCで簡単】不動産クラファンの確定申告 5ステップ
令和7年分(2025年分)の確定申告期間は、令和8年(2026年)2月16日〜3月16日(※15日が日曜のため翌日)です。
国税庁のシステムを使えば、自宅からスマホやPCで簡単に申告が可能です。
Step 1:必要書類を手元に揃える
- 「年間取引報告書」または「支払調書」不動産クラファン事業者のマイページからダウンロードします。
1年間の「分配金総額」と「源泉徴収税額」が記載された最も重要な書類です。 - 給与の源泉徴収票(会社員の場合)
- マイナンバーカード(スマホの読み取り機能を使うと非常に便利です)
- 還付金の振込先口座情報
Step 2:所得金額(利益)を計算する
雑所得は以下の計算式で求めます。
雑所得 = 分配金の総額(税引前) − 必要経費
【必要経費について】
不動産クラファン(匿名組合への出資)において、認められる必要経費は非常に限定的です。
一般的には、出資時や払戻し時にかかった「銀行の振込手数料」程度と考えましょう。
(※投資関連の書籍代やセミナー代などは、事業性が認められにくく、経費として否認されるリスクが高いため注意が必要です。)
Step 3:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で入力
確定申告書等作成コーナー(国税庁) にアクセスします。
画面の案内に従って進め、以下の要領で入力します。
- 所得の選択画面で「雑所得」の中の「その他」を選択します。
- 種目欄に「分配金」または「利益分配金」と入力します。
- 収入金額欄に、年間取引報告書にある「分配金合計(税引前)」を入力します。
- 必要経費欄に、振込手数料等があれば入力します。
- 源泉徴収税額欄に、年間取引報告書にある「源泉徴収税額」を入力します。
- 所得の生ずる場所(支払者)欄に、事業者名を入力します。
Step 4:申告書を送信(提出)する
マイナンバーカードをスマートフォンで読み取る「e-Tax(マイナンバーカード方式)」が最もスムーズでおすすめです。
税務署に行く必要も、書類を郵送する必要もありません。
Step 5:納税または還付を待つ
- 追加で納税が必要な場合: 指定された期限までに、口座振替やクレジットカード、スマホ決済などで納付します。
- 還付される場合: 申告書に記載した銀行口座に、おおむね1か月から1か月半程度で振り込まれます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 複数の不動産クラファンサービスを利用している場合は?
A. すべてのサービスから得た分配金を合算して計算します。例えば、A社で10万円、CAMELで15万円の分配金があった場合、合計25万円となり、会社員であっても20万円ルールを超過するため確定申告が必要です。
Q2. 運用が終了して「元本」が返ってきました。これも税金がかかる?
A. かかりません。出資金がそのまま戻ってくる「元本返還部分」は利益ではないため、課税対象外です。課税されるのは、あくまで利益として上乗せされた「分配金」の部分のみです。(※年間取引報告書には、これらが分けて記載されています)
Q3. 不動産クラファンで出た損失を、株式投資の利益と相殺できる?
A. できません。不動産クラファンの分配金は「雑所得」、株式の利益は「譲渡所得・配当所得」であり、
これらは所得区分が異なるため損益通算(利益と損失を相殺すること)は法律で認められていません。
まとめ:正しい申告で、安心して資産運用を続けよう
不動産クラウドファンディングの税務のポイントは以下の通りです。
- 分配金は「雑所得(総合課税)」となる。
- すでに20.42%が源泉徴収されている。
- 会社員は、給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要(住民税申告は必要)。
- 確定申告をすることで、払いすぎた税金が還付される可能性がある。
確定申告と聞くと「面倒くさい」と感じるかもしれません。
しかし、不動産クラファンは、
NISAのインデックス投資にはない「高い利回り(インカムゲイン)」を生み出す強力な投資ツールです。
正しい税務知識を身につけ、スマホでサクッと申告を終わらせるスキルを持てば、資産運用の幅は劇的に広がります。
CAMEL(キャメル)では、
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※本記事は令和7年4月1日現在の法令等に基づく一般的な税務情報の提供を目的としています。お客様の個別の状況により取り扱いが異なる場合がありますので、最終的な申告や税務判断につきましては、ご自身の管轄の税務署または税理士等の専門家にご確認ください。


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