不動産クラウドファンディングにおける元本割れとは?

不動産クラウドファンディングを始めるにあたって、様々なことが気になってくるかと思います。
そんな気になってくることの中でも、『元本割れ』について、気になる方は多いのではないでしょうか?
今回は不動産クラウドファンディングにおける元本割れについて、詳細をお伝えしていきますので、最後までお付き合いください。

目次

元本割れとは


元本割れとは、運用期間終了時の償還金(戻ってくるお金)が投資額を下回ってしまうことです。
不動産クラウドファンディングでは、リーマンショックといった世界的な金融危機による不動産相場の下落や、地震や台風などの災害による被害により、物件の価値が低下した場合に、元本割れが起こりやすくなります。
不動産クラウドファンディングで元本割れが起こるのは、


・売却金額が購入金額を下回る


・想定どおりのインカムゲインが得られない
 


上記2つのケースになります。


不動産クラウドファンディングの収益には、投資対象物件の売却によるキャピタルゲインと、投資対象物件の賃貸運用によるインカムゲインがあります。
投資家への分配金の原資をどちらにしているかによって、キャピタルゲイン型、インカムゲイン型、双方を組み合わせたハイブリッド型に分かれます。
そして、こうした収益が想定していたように得られない場合には、元本割れが起こることがあるのです。

〜補足〜
キャピタルゲイン型……
株式や土地などの資産を売却して得られる売買差益のことです。
譲渡益や資本利得とも呼ばれます。

インカムゲイン型……
資産を保有していることで得られる収入を指します。

ハイブリッド型……
寄付型、報酬型、株式型、債権型など、複数のクラウドファンディングの形式を組み合わせたものです。

ケース①売却金額が購入金額を下回る
不動産クラウドファンディングの中でも、投資対象の不動産の売却による収益であるキャピタルゲインを分配金の原資とするファンドは、キャピタルゲイン型と呼ばれています。
キャピタルゲイン型では、投資対象物件の売却価格が購入価格を下回ると、元本割れが起こります。
売却価格が下がる主な要因として、世界的な金融危機、あるいは景気動向など国内情勢の影響による不動産市場の相場の下落と、自然災害による投資対象物件の価値の下落が挙げられます。

ケース②想定どおりのインカムゲインが得られない
不動産クラウドファンディングのうち、インカムゲイン型は賃料収入による収益であるインカムゲインを分配金の原資とするファンドです。
インカムゲイン型は想定したどおりのインカムゲインが得られないと、元本割れを起こす可能性があります。
インカムゲインが想定よりも少なくなる要因として、事業計画よりも入居率が低いケースや、周辺地域の賃料相場の下落によって賃料を下げたケース、あるいは借主からの賃料の支払いが滞っているケースなどが挙げられます。

元本割れが起きていない登録サイト


始めてみたいけれど、元本割れに不安がある、どのサイトが良いのかわからないという方のために、今まで元本割れが起きていない登録サイトをご紹介いたします。
今後も100%元本割れしないということではありませんが、こうした実績のある会社であれば安心して投資しやすいと言えます。
ぜひ今後の参考にしてみてください。


COZUCHI
最低1万円から投資を始められ、安定した利回りが得ることが可能なCOZUCHI。
好条件での売却が成立した場合、配当利回りに上限無くフェアに利益を分配する仕組みを導入しています。不動産のプロが選んだ物件に投資できるほか、運用期間中でも解約して原本を回収できるため、気軽に投資することができます。

想定利回り:4〜10%
運用期間:1〜120ヶ月
最低出資額:1万円
対象物件:マンション・アパート・商業施設


creal
1万円から投資ができるほか想定利回りも年利4.3%と好条件のcrealは、上場企業が運営しており、償還実績元本割れ0件と安心感もあります。
また、個人だと投資が難しい保育園、専門学校、一棟レジデンス、ホテルなどにも投資可能で物件やマーケットの情報を詳細に開示しており情報の透明性も高いところも大きな評価ポイントかと思います。

想定利回り:4〜8%
運用期間:4〜24ヶ月
最低出資額:1万円
対象物件:マンション・アパート・商業施設・オフィス等

リスク回避ポイント


上記サイトは今まで元本割れをしていないという点では、他サイトと比べて安心感がありますが、これからもそうであるとは限りません。
そこで登録サイト選び以外にも、元本割れやその他リスクを回避するポイントもご紹介致します。

①優先劣後出資制度を導入しているファンドを選択する
優先劣後出資制度を導入しているファンドを選ぶと、元本割れのリスクを軽減することができます。
運営事業者やファンドによって劣後出資割合には幅があり、一般的な水準は5~30%になります。
運営事業者の劣後出資割合が高いファンドほど、元本割れのリスクが低くなります。
ただし、劣後出資割合が高いファンドであっても、リスクはゼロではないことを認識しておく必要があります。

②分散投資する
不動産クラウドファンディングの投資による失敗を回避するには、分散投資をすることもポイントの1つです。
1つのみのファンドに投資すると、万が一、損失が生じたときに大きな損害となります。
しかし複数のファンドに投資して、運用が好調なファンドがあれば、資産全体では損失が出るリスクを軽減できます。
また、複数の不動産クラウドファンディングに投資する場合には、マンションやオフィスビルといった投資物件の種類を変えることで、よりリスクの軽減を図れます。

様々なリスクがあっても不動産クラウドファンディングが選ばれる理由


様々なリスクが発生する可能性があるものの、不動産クラウドファンディングは多くの人に注目されている、特に近年人気が高まっている投資方法です。
では、なぜ多くの人に選ばれているのか順に解説していきます。

①1口1万円から投資が可能
不動産クラウドファンディングの投資金額は1万円からでも可能です。
不動産投資に興味があるものの、多額の資金を用意できないという人でも不動産クラウドファンディングなら参加可能なため、資金面を見ても魅力的に見える選択肢となります。
投資する額が少ないため分配される利益も少額にとどまりますが、その分リスクも少なくなるため初めての投資にも向いています。

②手間負担なく利益を得やすい
一般的な不動産クラウドファンディングで採用されている匿名組合方式の場合、実際の不動産物件を所有することがないため物件を管理する必要がありません。
運用もクラウドファンディング事業者に一任できるのも魅力の1つです。
管理や運用といった負担や手間なく、プロジェクトに投資を行うだけで利益を得ることができます。

③不動産クラウドファンディング業界自体が拡大傾向にある
不動産クラウドファンディング業界自体が今現在も拡大傾向にあり、人気や注目度も高まっている投資方法です。
背景には不動産特定共同事業法の改正や、国交省による、ガイドラインを設けての不動産クラウドファンディングの推進などがあります。
国土交通省の「不動産特定共同事業(FTK)の利活用促進ハンドブック」では、令和4年の不動産特定共同事業(FTK)のクラウドファンディングの件数・出資額が前年の出資額の約2.61倍、件数は約1.85倍であると公表されています。
このことから、不動産特定共同事業法改定後に、市場での不動産クラウドファンディングの実績は急拡大していることが分かります。

④副業にも向いている
現物不動産投資に比べて手間がかからないため、副業としても始められます。
現物不動産投資では、不動産を売買する際や入居者と契約を結ぶ際に書類作成などの手間が生じたり、不動産における故障や事故など、あらゆるトラブルにも対応しなければいけません。
これらの業務を不動産会社に委託することもできますが、高額な委託料がかかってしまうため、結果的に得られる利益が少なくなってしまいます。
しかし、不動産クラウドファンディングでは、インターネット上で手続きを行い、不動産の運営や管理は全て事業者に任せることができます。
投資後は、分配金や元本の入金を待つだけなので、副業としても気軽に始められるというメリットがあります。

まとめ


不動産クラウドファンディングだけではなく、投資にはリスクが必ずあります。
損失の可能性もある半面、利益を得る可能性もあります。
しかし、投資をすることによってどういったリスクがあるのかを理解することで、元本割れはもちろんのこと、他のリスク回避に繋がります。
様々なリスクを把握したうえで、不動産クラウドファンディングを行うようにしてください。

監修:越智正道
東京都文京区にて税理士事務所を経営。
ファイナンシャルプランナーとしても活動しながら、税理士業務では、記帳代行、試算表の作成、ペイロール代行、決算書類の作成、経営分析、税務申告など、多岐にわたるサービスを提供。
クライアントには、IT関連、ブライダル、化粧品開発、飲食業、医療関連など、さまざまな業種が含まれており
相続対策や事業承継、IPO支援、人事・労務管理指導などの分野の知見も広く持つ。
特に、NPO法人や金融資産関連の税務コンサルティングに力を入れており、幅広いニーズに応えることを使命としています。

監修

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次