不動産投資をする人の平均年収・最低必要資金

不動産投資を始めてみたいけれど、実際いくらの年収が必要なのか、最低必要資金はいくらなのか、わからないことは多いかと思います。

そこで今回は年収や必要資金について深掘りしていきたいと思います。

目次

不動産投資を始めるのに必要な最低年収

率直に結論から伝えますと、不動産投資を始めるためには、年収1000万円以上が必要になります。

収益物件を購入する際は金融機関からの融資を受けることになり、融資を受けられる額は年収などの属性によって変わってくるからです。

年収が高いと金融機関からの融資を良い条件で受けられ、賃貸経営を行う上での突発的な支出に対応できますが、低ければ低いほど条件も借りられる金額も、望むものから遠ざかってしまいます。

この他にも、年収が足りていないのに不動産投資を始めようとすると、そもそも融資が受けられない、物件を購入できたとしても保有中の工事などの突発的な支出に耐えられないといった事態に陥ってしまうことも。

てすので、しっかりとした年収という基盤が必要になってくるのです。

年収1000万円以上ないと厳しい、という点を先に挙げましたが、逆に年収1000万円あるとどのような利点があるかも合わせてもお伝えいたします。

①金融機関からの融資を良い条件で受けられる

1つ目の利点は「金融期間からの融資を良い条件で受けられる」という点になります。

不動産投資を始める時点で年収1000万円以上が必要となる最大の理由は、良い条件で融資を出してくれる金融機関の選択肢が増え、購入できる物件の幅も広がるからです。

ちなみに「良い融資条件」というのは、

1.低い金利

2.融資期間の長さ

3.融資割合の大きさ

となります。

①-1.低い金利

不動産投資を成功に導くためには、物件の利回りと金融機関からの借入金利の差を大きくすることが重要となります。

どれだけ物件の利回りが高くても、金融機関からの借入金利が高ければ、不動産投資における利益を大きく出すことは難しくなります。

低い金利で融資を受けることができれば、たとえ物件の利回りが低くても利益を大きく出すことが可能になります。

※誰もが知るような大手銀行、メガバンクのように金利を低く設定している金融機関は、年収や勤務先などの審査基準が厳しいという特徴があります。

年収が高く社会的信用がある人への融資は、返済に際してのリスクが小さいと判断されるため、メガバンクの審査に通りやすく低い金利での融資が受けられる可能性があります。

※現在アパートローンの金利相場は平均で2.5%前後ですが、メガバンクであれば1%程度、地方銀行なら1.5%~4.5%などと幅もあります。

①-2.融資期間の長さ

次に融資期間についてです。

同じ借入額だとしても、融資期間を短く設定するより、長く設定した方が月々の返済額を抑えることが可能です。

同じ金額を返済するにしても融資期間が15年と30年では、金利も合わせると月々に返済する金額の差が2倍以上異なります。

そのため、融資期間が長い方が余裕をもって賃貸経営を行うことができます。

※長い期間での融資では、返済期間も長くなります。

金融機関は、融資した人が将来にわたり安定して返済できるかを重視しているため、年収が高いほど長期での融資を受けられる可能性が、比例して高くなります。

①-3.融資割合の大きさ

不動産を購入する際には、物件価格の2~3割を自己資金で求められるケースが多く見られます。

また、賃貸経営を行う上での突然の支出に対応するために、手元にある程度の資金を残しておく必要があります。

融資割合を大きくする、つまり物件の価格に対する借入金額を大きくすることで、手元に多くの資金を残すことができます。

ただ、融資割合が大きいと手元に多くの資金を残せるというメリットがありますが、それだけ返済する額も大きくなるというデメリットもあります。

金融機関は貸したお金を返済できる能力がある人にしかお金を貸しませんので、借主にとって有利な融資であるほど年収の基準などの審査が厳しくなります。

つまり、年収が高ければ返済能力が高いと判断されるため、このような条件での融資が可能になります。

②年収1000万円以上だと、賃貸経営を行う上での突発的な支出に対応できる

2つ目の利点は「年収1000万円以上だと、賃貸経営を行う上での突発的な支出に対応できる」になります。

不動産投資は、物件を購入してそこで終わり、にはなりません。

購入後は賃貸経営を行うことになります。

この際、予期せぬトラブルによる突然の支出が発生する場合があります。

たとえば、台風や地震なとによる自然災害による被害や、賃貸物件に付随しているエアコンやトイレなどの故障など、すぐに修繕しなければならないといったケースが考えられます。

修理箇所によって、費用は変わってきますが、ある程度の年収と資金の蓄えがなければ、緊急のトラブルに対応することができません。

すぐにトラブルに対応できなければ、入居者の方からのクレームや退去につながってしまうこともあります。

最低必要資金は?

次に始めるにあたって、最低でも必要となる資金についてです。

不動産投資を始める際にかかる初期費用は、およそ物件価格の15%になります。

ただし、この「初期費用は物件価格の15%」というのはあくまでも目安になります。

というのも、銀行の融資額が個人の属性、物件の属性によって変化するためです。

個人の属性とは、年収や資産額、借入残高、住所などを指し、物件の属性は所在地や駅距離、築年数、構造、遵法性、積算価格などを指します。

不動産投資で物件を購入する際、たいていの場合は物件価格全額を自身のお金で用意するのではなく銀行からお金を借りて物件を購入することになります。

この時、どのくらいの金額を融資するか銀行が決定しますが、その際に個人の属性、物件の属性から考慮されます。

考慮した結果、物件価格と同額の融資が出る場合もあれば、半分しかでない場合、そもそも融資が出ない場合もあります。

この融資額によって初期費用は大きく変化してくるといっても過言ではありません。

融資額では足りない部分は頭金として物件購入の際に自身で持っている資金が必要となります。

ワンポイント〜初期費用の種類〜

初期費用で必要になってくる項目は下記のようになります。

物件の頭金

物件購入時に必要となる自己資金になります。

(物件価格のうち融資額を除いた部分です。)

個人、物件の属性によって変化する部分ではありますが、物件価格の約10%を頭金として見ておきましょう。

融資事務手数料

融資を受ける際に支払う手数料です。

融資金額の1~3%程度が必要になります。

融資保証料

保証機関による保証を受けるための費用になります。

銀行から融資を引いて物件を購入する場合、その借入に保証を付けるのが一般的です。

不動産投資では額も高額になるため、保証会社による保証を付けることがあります。

銀行からすると保証会社に保証をしてもらうことで、仮に融資が貸し倒れになったとしてもお金を回収することが可能となるからです。

融資額の約1.1%を見融資保証料として見ておくと良いでしょう。

印紙代

売買契約書や金銭消費貸借契約書に貼り付ける印紙代になります。

売買契約書と融資を受ける際の契約書(金銭消費貸借契約書)には印紙税がかかります。

印紙代は契約書の記載金額(売買金額や融資額)によって変化します。

1000万円以上が2万円、5000万円以上が6万円、1億円以上が10万円等となっております。

火災保険料・地震保険料

物件にかける保険の費用です。

建物の大きさや築年数、木造や鉄筋などの違いによって、保険料は変わってきます。

登記費用

所有権や担保を登記するための費用になります。

物件を購入するとその旨を登記することになります。

また、融資を受ける際には抵当権(担保)を設定するために登記を行います。

それらの際に必要となるのが登録免許税です。

登録免許税は「課税標準額×税率」によって決定します。

ここでの課税標準額は実際の不動産の価格ではなく、行政によって定められる「固定資産税評価額」によります。

固定資産税評価額は物件にもよりますが物件価格の約7割がおおよその目安になります。

司法書士報酬

物件購入にあたって登記手続きが必要となってきます。

この手続きでは多くの書類が必要になる他、複雑でもあるので司法書士に依頼することが一般的です。

登記を司法書士に依頼するにあたって支払う報酬は10~15万円程度が一般的となります。

仲介手数料

物件を不動産業者に仲介してもらって購入する場合、成約時にその業者に支払うことになる手数料が仲介手数料です。

不動産業者が自ら売主となる場合は、この仲介手数料はかかりません。

仲介手数料は物件価格の「3%+6万円」が上限です。※物件価格が400万円より高い場合

不動産取得税

物件を購入して取得すると、不動産取得税がかかります。

不動産を購入したのち、行政から納税通知書が送付され、その税額を参照して納付することになります。

不動産取得税の額は「課税標準額×税率」で決まります。

この課税標準額も登録免許税同様固定資産税評価額によります。

固定資産税・都市計画税の精算

物件の売主が支払った固定資産税・都市計画税の一部を、買主が保有する期間に応じて負担するための精算金になります。

毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課税されます。

こちらが初期費用の基本になりますが、物件によってはプラスで他にもかかったりすることもありますので、しっかりと確認をするようにしましょう。

まとめ

不動産投資には1000万円を超える年収、そして

最低必要資金(初期費用)は、およそ物件価格の15%必要となってきます。

しっかりと把握した上で不動産投資に挑戦してみてください。

また、不動産投資をしたいけれど、年収や資金に不安がある方は、1口1万円から始められる不動産クラウドファンディングもおすすめです。

監修:越智正道

東京都文京区にて税理士事務所を経営。

ファイナンシャルプランナーとしても活動しながら、税理士業務では、記帳代行、試算表の作成、ペイロール代行、決算書類の作成、経営分析、税務申告など、多岐にわたるサービスを提供。

クライアントには、IT関連、ブライダル、化粧品開発、飲食業、医療関連など、さまざまな業種が含まれており

相続対策や事業承継、IPO支援、人事・労務管理指導などの分野の知見も広く持つ。

特に、NPO法人や金融資産関連の税務コンサルティングに力を入れており、幅広いニーズに応えることを使命としています。

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