不動産小口化商品は確定申告が必要?必要なケースや手順を初心者向けに解説

不動産小口化商品は確定申告が必要?必要なケースや手順を初心者向けに解説

不動産小口化商品に興味があるものの、「確定申告が必要になるのでは?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、不動産小口化商品を購入したからといって、必ずしも確定申告が必要になるわけではありません。ただし、一定以上の所得を得た場合には申告が必要になります。

本記事では、不動産小口化商品の基本的な仕組みから、確定申告が必要になるケース、具体的な手続きの流れ、申告しなかった場合のペナルティまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

目次

不動産小口化商品とは

不動産小口化商品とは、ひとつの不動産を一口あたり数万円から数百万円程度に分割して販売し、そこから得られる賃料収入や売却益を出資額に応じて投資家に分配する商品です。

複数の投資家が共同で不動産に出資する仕組みであることから、「不動産特定共同事業」とも呼ばれます。個人では購入が難しい高額な物件でも、小口化されているため少額から投資できるのが特徴です。

不動産の運用や管理は事業者が行うため、投資家自身が入居者対応や物件管理を行う必要はありません。


通常の不動産投資では、物件を購入するために数千万円以上の資金が必要になります。金融機関から融資を受けるケースも多く、初心者にはハードルが高いのが現実です。

不動産特定共同事業では、事業者が収益を見込める不動産を購入し、一口ごとに分割して複数の投資家に販売します。投資家は出資額に応じて、賃料収入や売却益の分配を受けられます。


不動産特定共同事業の仕組み

なお、不動産小口化商品を取り扱う事業者は、不動産特定共同事業法に基づき、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受ける必要があります。許可を受けた事業者のみが商品を提供できる仕組みになっているため、一定の信頼性が担保されています。

出典:国土交通省「不動産特定共同事業」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000263.html

不動産小口化商品で確定申告が必要なケース

不動産小口化商品を購入しても、すべての投資家に確定申告が必要になるわけではありません。ここでは、確定申告が必要になる具体的なケースを解説します。

不動産所得が年間20万円を超えた場合

給与所得者(会社員など)の場合、不動産小口化商品から得た不動産所得が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。

ここで注意したいのは、「収入」ではなく「所得」で判断するという点です。所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことを指します。たとえば、年間の分配金が25万円でも、経費を差し引いた所得が20万円以下であれば、原則として確定申告は不要です。

20万円以下でも確定申告が必要なケース

不動産所得が20万円以下であっても、以下のようなケースでは確定申告が必要になります。

  • 年末調整で住宅ローン控除を適用していない場合
  • ふるさと納税でワンストップ特例を利用していない場合
  • 医療費控除を適用する場合
  • 給与を2か所以上から受け取っている場合

また、不動産所得が赤字の場合でも、確定申告をすることで他の所得と損益通算ができ、税金の還付を受けられる可能性があります。申告義務がなくても、節税のために確定申告を行うケースもあります。

商品の種類によって所得区分が異なる

不動産小口化商品には主に「任意組合型」と「匿名組合型」がありますが、種類によって所得の区分が異なります。

任意組合型の場合、投資家は不動産の所有権を持つため、分配金は「不動産所得」として扱われます。不動産所得は、青色申告を行うことで特別控除などの税務上の優遇を受けられる可能性があります。

一方、匿名組合型の場合、投資家は不動産の所有権を持たないため、分配金は「雑所得」として扱われます。雑所得には青色申告の適用がなく、任意組合型とは税務上の取り扱いが異なります。

確定申告の手順

確定申告が必要になった場合、どのような手順で進めればよいのでしょうか。ここでは、基本的な流れを3つのステップで解説します。

ステップ1|必要書類を準備する

まずは、確定申告に必要な書類を準備します。不動産小口化商品の場合、事業者から送られてくる「財産管理報告書」が基本資料になります。財産管理報告書には、年間の収入や経費が記載されているため、この内容をもとに申告書を作成します。

そのほか、以下のような書類が必要になる場合があります。

  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
  • 不動産売買契約書
  • 固定資産税の通知書
  • 不動産取得税の領収書
  • 司法書士報酬の領収書
  • その他経費の領収書

財産管理報告書に記載されていない経費(不動産取得税や司法書士報酬など)は、投資家自身で別途計上する必要があります。領収書は確定申告の時期までに整理しておきましょう。

ステップ2|確定申告書を作成する

必要書類が揃ったら、確定申告書を作成します。

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。白色申告は手続きが簡単ですが控除額が少なく、青色申告は帳簿の作成が必要ですが最大65万円の特別控除を受けられる可能性があります。

確定申告書の作成には、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を利用すると便利です。画面の案内に従って金額を入力するだけで、自動的に税額が計算されます。

不動産所得がある場合は、確定申告書に加えて「収支内訳書」(白色申告の場合)または「青色申告決算書」(青色申告の場合)の作成が必要です。

出典:国税庁「確定申告書等作成コーナー」 https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl

ステップ3|税務署に提出する

確定申告書の作成が完了したら、税務署に提出します。提出方法は以下の3つがあります。

1つ目は、税務署の窓口に直接持参する方法です。記載内容に不明点があれば、その場で確認できるメリットがあります。

2つ目は、郵送で提出する方法です。確定申告書をPDFで出力して印刷し、必要書類とともに税務署に郵送します。

3つ目は、e-Tax(電子申告)を利用する方法です。マイナンバーカードを使ってオンラインで申告できるため、税務署に行く手間が省けます。

確定申告の期間は、毎年2月16日から3月15日までです。期限を過ぎると延滞税などのペナルティが発生する可能性があるため、余裕を持って手続きを進めましょう。

確定申告をしなかった場合のペナルティ

確定申告が必要であるにもかかわらず申告しなかった場合、以下のようなペナルティが課される可能性があります。

まず、期限内に申告しなかった場合は「無申告加算税」が課されます。納付すべき税額に対して、原則として15〜20%が加算されます。

また、期限内に税金を納付しなかった場合は「延滞税」が課されます。納付が遅れた日数に応じて税額が加算されていきます。

さらに、意図的に所得を隠したと判断された場合は「重加算税」が課される可能性があります。重加算税は最大40%と非常に高額になるため、申告義務がある場合は必ず期限内に手続きを行いましょう。

確定申告を楽に済ませるためのポイント

不動産小口化商品の確定申告は、財産管理報告書をもとに進められるため、通常の不動産投資に比べると手間は少ないと言えます。ただし、初めての場合は戸惑うことも多いでしょう。

確定申告をスムーズに進めるためのポイントをいくつか紹介します。

まず、経費の領収書は日頃から整理しておくことが大切です。財産管理報告書に記載されていない経費(不動産取得税、司法書士報酬、交通費など)は、自分で管理して計上する必要があります。

また、初めての確定申告で不安がある場合は、税理士に相談することも選択肢のひとつです。不動産小口化商品は通常の不動産投資とは税務上の取り扱いが異なる部分もあるため、専門家のアドバイスを受けることで、適切な申告ができます。

事業者によっては、税理士の紹介などのサポートを行っているところもあります。投資を始める前に、サポート体制についても確認しておくとよいでしょう。

まとめ

不動産小口化商品を購入しても、必ずしも確定申告が必要になるわけではありません。給与所得者の場合、不動産所得が年間20万円を超えた場合に申告が必要になります。

確定申告が必要になった場合は、事業者から届く財産管理報告書をもとに申告書を作成し、期限内に税務署に提出します。国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、初心者でも比較的簡単に手続きを進められます。

申告義務があるにもかかわらず確定申告をしなかった場合は、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課される可能性があります。不安がある場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

不動産小口化商品への投資を検討している方は、確定申告の仕組みについても事前に理解しておくと安心です。

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