どんな物事を行うにしても、必ずメリットとデメリットがついてきます。
そこで今回は最近人気急上昇している不動産クラウドファンディングのメリットとデメリットについて取り上げていきたいと思います。
どんなメリットがあって、どんなデメリットがあるのか。
知っていることもあれば、知らないこともたくさんあるかと思います。
ぜひ今回の記事で、知識を増やしていってください。
不動産クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、投資家から資金を投資してもらい、集まったお金でひとつのものに投資することを指します。
投資したもので得た利益は投資家に分配されるため、投資した側は手間なく資金を得ることができます。
そして、不動産クラウドファンディングは物件などの不動産に投資することを指します。
分配されるのは出資した金額に合わせて全員に分配されるため、利益が多ければ多いほど得られる利益も大きくなります。
ちなみに不動産クラウドファンディングの仕組みは、投資家が事業者に投資して、集まった資金で事業者が物件を購入し、得た利益を分配する、という流れになっています。
投資は結果が出るまでに多少の期間を要するため、投資後すぐに利益は得られませんが、投資後の手続きなどはすべて事業者が行うため、投資した側は何もせずに待つだけという大きな魅力もあります。
メリットとデメリット
大まかに不動産クラウドファンディングについて説明したところで、次は本題でもあるメリットとデメリットに移りたいと思います。
メリット①1口1万円から投資できる
不動産クラウドファンディングの多くは、1口1万円から投資できるという手軽さを持ち合わせています。
現物の不動産投資と違い不動産クラウドファンディングであれば、少額の資金で手堅い投資先である不動産に投資してみる、ということが可能になります。
また、大勢の投資家からお金を集めるため、ホテルや学校といった大型の施設も投資対象となります。
少額の出費で一般的な現物投資では手が届かないような高額物件に投資できる点も、不動産クラウドファンディングの魅力の1つです。
メリット②元本割れのリスクが低い
他の投資手段では総じて元本割れのリスクがあるのに対し、不動産クラウドファンディングではそのリスクを軽減する優先劣後方式をとっています。
※優先劣後方式とは、匿名組合契約における出資区分のことです。
この仕組みでは、投資家が「優先出資者」、不動産クラウドファンディングの事業者が「劣後出資者」と位置付けられ、それぞれの出資金は別に管理されます。
優先出資者は劣後出資者に優先して分配を受けることができます。
メリット③手間要らず
現物不動産投資は運用前には融資審査や売買契約といった煩雑な手続きが必要で、運用後は管理などの手間がかかります。
しかし、不動産クラウドファンディングであれば、運用前の事前準備も簡素化されており、運用中も事業者に運用を一任でき、ほったらかし運用が実現できます。
出資応募、出資、期間満了で償還金をもらうことができます。
メリット④比較的利回りが高い
不動産クラウドファンディングは、比較的利回りが高い投資方法になります。
不動産クラウドファンディングでは、一般的に3%~8%ほどの利回りで運用しているケースがほとんどです。
利回りが5%のファンドに100万円の投資をした場合、単純計算で5万円の利益を得ることができます。
もちろん、不動産価格の下落や空室率の向上により、予定通りの利回りを実現できないこともありますが、預貯金よりも高い利回りが期待できます。
メリット⑤副業にも向いている
現物不動産投資に比べて手間がかからないため、副業としても始められます。
現物不動産投資では、不動産を売買する際や入居者と契約を結ぶ際に書類作成などの手間が生じたり、不動産における故障や事故など、あらゆるトラブルにも対応しなければいけません。
これらの業務を不動産会社に委託することもできますが、高額な委託料がかかってしまうため、結果的に得られる利益が少なくなってしまいます。
しかし、不動産クラウドファンディングでは、インターネット上で手続きを行い、不動産の運営や管理は全て事業者に任せることができます。
投資後は、分配金や元本の入金を待つだけなので、副業としても気軽に始められるというメリットがあります。
デメリット①元本割れのリスク
・不動産価格の下落
・空室率の向上による利益減
・自然災害による不動産物件の倒壊・破損
・不動産クラウドファンディング事業者の倒産
不動産クラウドファンディングの最大のデメリットは、元本割れのリスクがあるという点です。
元本割れの要因としては、上記の4つが主に挙げられます。
不動産クラウドファンディングで利益を得る仕組みは、基本的に現物不動産投資と同じです。
そのため、現物不動産投資と同様に元本割れしてしまうリスクがあるのです。
ただ、優先劣後方式を採用しているファンドを利用することや不動産クラウドファンディング事業者の倒産リスクを事前に把握しておくことで、元本割れのリスクを軽減させることができます。
不動産クラウドファンディングを始める際は、事前にしっかりと把握しておきましょう。
デメリット②レバレッジ効果の低さ
レバレッジ効果とは、投資資金に対して高い利益を得ることを指します。
現物不動産投資では、自己資金に加えて金融機関からの融資を受け、自己資金以上の不動産を購入することが一般的です。
自己資金では手の届かない不動産物件を購入することができるため、高い収益を目指すことができます。
もちろん、自己資金以上の不動産物件を購入することからリスクは高いといえますが、レバレッジ効果は高いといえるでしょう。
一方、不動産クラウドファンディングは少額から投資をすることができますが、基本的に自己資金で投資しなければいけません。
現物不動産投資に比べてリスクは低いですが、自己資金以上の投資を行うことはできないため、レバレッジ効果は低いといえます。
デメリット③途中解約ができない
原則として不動産クラウドファンディングでは途中解約をすることは原則できません。
そのため、一つの案件に集中して投資すると、不動産価格が下落した場合大きな損失を被ることになります。
また、多額の投資をして生活費に困ったとしても、すぐに現金化することができません。
ですので、計画的に投資することや分散投資をしてリスクを低減させることが重要です。
最初は欲を出さずにまずは少額から、流れなどがわかってきたら、資金を増やすようにしてみてください。
デメリット④早い者勝ちの場合がある
不動産クラウドファンディングでは二つの募集方式があります。
それは抽選式と先着式になります。
抽選式は、募集期間内に応募し当選することができれば必ず投資することができます。
ですので、募集期間内に応募すれば平等に投資のチャンスが与えられます。
しかし人気の案件の場合は、倍率が数十倍になることもあり、粘り強く応募をする必要があります。
先着式は、文字通り先着順でファンド募集を行い、目標金額に達したら募集終了となる募集方式のことです。
先着式では、目標金額に達するまでに応募を完了すれば確実に応募することができます。
しかし、人気の案件の場合募集開始から数分以内に目標金額に達してしまい応募できない場合があります。
そうした事態に備え、募集期間の確認を怠らず、時間に余裕を持って挑むようにしましょう。
デメリット⑤運用期間が短い
不動産クラウドファンディングでの運用期間は、3か月~36か月の期間が目安となります。
案件によっては、運用期間が36か月を超える場合もありますが、比較的短い期間であることが多いため、他の不動産投資と違って長期的な投資が出来ないと言えます。
不動産クラウドファンディングを長く続けたいのであれば、新しい案件を常に探す必要があります。
ワンポイント〜節税対策になる?〜
近年、投資はつみたてNISAやiDeCoのように節税手段として利用され始め、不動産クラウドファンディングも節税に利用できるのではないかと注目を集めています。
しかし、結論からいうと不動産クラウドファンディングは節税に利用できません。
ただし、申告方法によっては払い過ぎた税金を取り戻すことが可能です。
不動産クラウドファンディングで受け取る分配金は、運営事業者によって20.42%の源泉徴収が行われています。
源泉徴収税率は個人の所得に関わらず一律となっているため、場合によっては税金を払い過ぎているケースがあるからです。
自身はその対象なのか、確認しておくことが大切です。
まとめ
不動産クラウドファンディングのメリットとデメリットについてご紹介しましたが、人によってメリットとデメリットが変わってくることもあります。
また、今回紹介したメリット、デメリット以外にもたくさんあると思います。
始めるときは、色んなところにアンテナを張って、情報を収集するようにしましょう。
不動産クラウドファンディングは、小額で始めたい、お小遣い程度でもいいから利益を得たい、手間をかけず不動産投資を始めたいという人におすすめです。
1つでも当てはまった方は、不動産クラウドファンディングを扱う会社が幾つかありますので、ぜひ自分に合ったサイトで登録してみてくださいね。
監修:越智正道
東京都文京区にて税理士事務所を経営。
ファイナンシャルプランナーとしても活動しながら、税理士業務では、記帳代行、試算表の作成、ペイロール代行、決算書類の作成、経営分析、税務申告など、多岐にわたるサービスを提供。
クライアントには、IT関連、ブライダル、化粧品開発、飲食業、医療関連など、さまざまな業種が含まれており
相続対策や事業承継、IPO支援、人事・労務管理指導などの分野の知見も広く持つ。
特に、NPO法人や金融資産関連の税務コンサルティングに力を入れており、幅広いニーズに応えることを使命としています。
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